1年 東北震災研修(大川小学校コース)

3月27日(水)

大川小学校コースは名の通り、東日本大地震において発生した津波により、多数の教員児童が犠牲となり、現在は震災機構として保存されている「石巻市立大川小学校」を主とした、津波と震災から今生きることについて考えを深める研修です。

初日は仙台空港を出発し、昼食を取った後、大川小学校へ向かいました。

大川小学校では、当時小学校6年生のご息女を震災で亡くされ、現在は「小さな命の意味を考える会」を立ち上げ、講演活動を行われている佐藤先生の案内と説明のもと、校舎を見て回ったり、裏山に登ったりしました。数人で言葉を交わしながら歩いて回る者、一人で考え込みながら話に聞き入る者と、生徒の反応は様々でしたが、誰もが真剣な眼差しで遺構を見つめ、震災当時に思いを馳せ、自分だったらと考えを巡らせていました。

その後、大川コミュニティセンターで佐藤先生とワークショップを行いました。震災で亡くなった大川小学校の74名の児童と10名の教員の「救いたかった命」、「救えた命」、「救えなかった命」について佐藤先生のお話を伺い、自分で考え、仲間と意見を交わしました。答えのない難しい問いに誰もが真っ直ぐに向き合うことで、この研修でしか手に入れることの出来ない自分なりの知見や想いをそれぞれが手に入れることが出来たかと思います。

夕食後は本日の宿となる南三陸ホテル観洋の震災当時の状況などについて、南三陸町議会議員の伊藤さんからお話を伺います。明日も語り部バスツアーからの松島観光、東北大学での講義と盛りだくさんの内容です。

 

3月28日(木)

昨夜行った「夜の学習会」にて、ホテル観洋の第一営業次長兼南三陸町議会議員、伊藤俊さんより、三陸沖の美しい朝日についての話がありました。これを受け、有志のグループで「海の見える命の森」への朝日を拝む散歩を楽しみました。

朝5時出発。頑張りました!

朝食はブッフェスタイルで、三陸沖で獲れた新鮮な海産物を堪能しました。

その後の「語り部ツアー」では、前夜の学習会で得た知識をもとに、バスで周りながら出来事を振り返り、防災対策庁舎で津波の破壊力とその無情さを改めて学びました。伊藤さんからのメッセージ「震災を悲しむだけではなく、生きることを楽しむことが大切だ」は心に響きました。

次に日本三景の1つである松島での観光船チャーターでは、景色の美しいだけでなく、やはりここにも津波の跡があることを勉強しました。

そして研修の総まとめとして、東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)の全面協力を得て、津波と災害レジリエンスについて学びました。

3Dドキュメンタリー映画「大津波」の鑑賞や、内田典子助教による講義は、生徒に深い印象を残しました。

この一連の研修を通じて、参加者一人ひとりが、様々な視点から物事を捉える能力を身につけ、将来起こるかもしれない大震災に備える重要性を深く理解することを願っています。

大川小学校コース、研修完結です。